犬・猫が吐く・下痢をしたとき|すぐに受診したい症状と来院前の準備

2026.08.25

嘔吐や下痢の症状について獣医師へ相談する犬と猫の飼い主

犬・猫の嘔吐や下痢は、比較的よくみられる症状です。一時的な食事の変化などで起こることもありますが、異物の誤飲、中毒、感染症、消化管の閉塞、内臓の病気など、早い診察が必要な場合もあります。

「何回までなら大丈夫」と回数だけで判断することはできません。元気や食欲、血の有無、お腹の状態、誤食の可能性、年齢、持病などを合わせて確認することが大切です。

ぐったりしている、短時間に何度も吐く、血が多く混じる、吐こうとしているのに何も出ずお腹が張る、誤食や中毒の可能性がある場合は、この記事を読み進めるより先に動物病院へ連絡してください。

嘔吐・下痢があるときの受診の目安

以下は代表的な目安です。どれにも当てはまらないから安全、または様子を見てよいという意味ではありません。症状が続く・繰り返す、元気や食欲が落ちている、いつもと違うと感じる場合は、早めに動物病院へご相談ください。

今すぐ動物病院へ連絡してほしい症状

次のような症状がある場合は、早急な診察が必要になる可能性があります。

  • ぐったりして立てない、反応が鈍い、倒れる
  • 呼吸が苦しそう、歯ぐきが白い・青紫色に見える
  • 短時間に何度も吐く、または水を飲んでも吐く
  • 吐こうとしているのに何も出ず、お腹が張って苦しそうにしている
  • 吐いたものに多量の血、またはコーヒーかすのようなものが混じる
  • 多量の血便、または黒くタール状の便が出る
  • 強い腹痛、ふらつき、けいれんがある
  • 薬、植物、洗剤、殺虫剤、人の食べ物などを口にした可能性がある
  • おもちゃ、布、ひも、骨などを飲み込んだ可能性がある

口や肛門からひも状のものが見えても、引っ張らないでください。消化管を傷つけるおそれがあります。

危険サインがなくても早めに相談したいケース

上記の危険サインがなくても、次に該当する場合は早めにご相談ください。

  • 子犬・子猫
  • 高齢の犬・猫
  • 体が小さい犬・猫
  • 糖尿病、腎臓病、肝臓病などの持病がある
  • インスリン、ステロイド、抗炎症薬などを使用している
  • 嘔吐と下痢が同時に起きている
  • 食欲、飲水量、尿量にも変化がある
  • ワクチン接種が完了していない子犬・子猫

ご家庭で確認してほしいこと

診察では、症状の経過が大切な手がかりになります。分かる範囲で記録してください。

吐いたとき

  • いつ始まり、何回吐いたか
  • 食前・食後のどちらで、食後どれくらいだったか
  • 食べ物、黄色い液、泡、血、異物など、何が混じっていたか
  • お腹に力を入れて吐いたか、前触れなく食べ物が出たか
  • 咳、えずき、よだれなどがあったか

「嘔吐」と、食べ物が前触れなく出る「吐出」は原因が異なることがあります。安全に撮影できる場合は、症状が出ている短い動画が診療の参考になります。飼い主さまが見分けきる必要はありません。

下痢をしたとき

  • いつ始まり、何回出たか
  • 軟らかい便、水のような便、粘液、鮮血、黒い便のどれに近いか
  • 排便時に強くいきんでいるか
  • 同居している犬・猫にも同じ症状がないか

全身の様子

  • 元気、食欲、水の飲み方
  • 尿が普段どおり出ているか
  • お腹の張りや、触られることを嫌がる様子がないか
  • 最近フードやおやつを変更していないか
  • ごみ、薬、植物、おもちゃなどを口にした可能性がないか
  • 現在使用している薬やサプリメント、治療中の病気

嘔吐や下痢の主な原因

嘔吐や下痢の原因はさまざまです。

  • 急なフード変更、食べ慣れないもの、食べ過ぎ
  • ストレス
  • 胃腸炎
  • 寄生虫や感染症
  • 膵臓、腎臓、肝臓、内分泌などの病気
  • 食物に対する反応や慢性的な腸の病気
  • 異物による消化管閉塞
  • 薬物、植物、食品などによる中毒

症状の色や形だけで原因を特定することはできません。「胃腸の調子が悪いだけ」と決めつけず、全身の状態も確認する必要があります。

受診までにできること

  • 静かな場所で休ませ、嘔吐や排便の時刻と回数を記録する
  • 吐いたものや便の写真を撮る
  • 安全に採取できる場合は、できるだけ新しい便を清潔な密閉容器へ入れる
  • 誤食が疑われる場合は、商品名、成分、食べた量、時刻が分かる容器や写真を用意する
  • 現在のフード、薬、サプリメントの名称を確認する

便の持参や保管方法は、来院前に病院へご確認ください。

嘔吐や下痢で来院する前に準備する記録・フード・薬・便容器
症状の時刻・回数、写真や動画、フード・薬の名称、採取できた便などが診療の参考になります。

ご家庭で避けたいこと

  • 人用の胃薬、吐き気止め、下痢止め、鎮痛薬を与える
  • 以前処方された残り薬を自己判断で使用する
  • 塩、オキシドールなどを使って吐かせる
  • 食事や水を無理に口へ流し込む
  • 自己判断で長時間の絶食・絶水を行う
  • 吐いた薬の量が分からないまま、同じ量を追加して飲ませる
  • 口や肛門から出ているひもを引っ張る

食事や水分をどうするかは、犬・猫の年齢、持病、服薬、症状によって異なります。特に子犬・子猫、体の小さい動物、糖尿病などの治療中は、自己判断せず動物病院へ確認してください。

来院時に持参すると役立つもの

  • 吐いたものや便の写真、症状が出ている動画
  • 採取できた新しい便
  • 症状が始まった時刻と回数の記録
  • 現在のフード、おやつ、薬、サプリメントの名称
  • 誤食した可能性がある物の容器、ラベル、残り
  • 持病、服薬、最近受けた治療の情報

写真や便だけで診断できるわけではありませんが、診察や検査を進めるうえで参考になります。

診察では何を確認するの?

まず症状の経過、食事、誤食の可能性、使用中の薬、持病などをお聞きし、全身状態、脱水、口の中、腹痛やお腹の張りなどを確認します。

必要に応じて、便検査、血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。異物や消化管の病気が疑われる場合には、追加の画像検査や内視鏡検査などを検討することもあります。

すべての犬・猫に同じ検査を行うわけではありません。年齢、症状、経過、全身状態に合わせて必要な検査を選びます。

1回吐いただけなら様子を見てもよい?

一度だけで、その後も元気、食欲、飲水が普段どおりで、ほかに異常が見られない場合は、内容を記録しながら経過を確認できることもあります。

ただし、誤食の可能性、血、腹痛、持病などがある場合は、回数に関係なくご相談ください。子犬・子猫、高齢の犬・猫では、受診の判断を早める必要があります。

迷ったら早めにご相談ください

嘔吐や下痢は、ご家庭だけで原因や緊急性を判断することが難しい症状です。「いつもと違う」「何となく元気がない」という変化も大切な情報になります。

症状の回数や写真、食事・薬の内容を確認し、迷ったときは早めに不二動物病院へご相談ください。

不二動物病院:0178-44-4321
※診療時間・休診日をご確認のうえ、お電話ください。

※本記事は一般的な情報です。診断や治療、食事・飲水の対応は、犬・猫の年齢、持病、症状によって異なります。気になる症状がある場合は診察を受けてください。

参考:Cornell University College of Veterinary Medicine「Emergency and Critical Care」Cornell Feline Health Center「Vomiting」Cornell Riney Canine Health Center「Diarrhea」MSD Veterinary Manual「Introduction to Digestive Disorders of Dogs」American Veterinary Medical Association「Pet First Aid」

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