避妊・去勢手術はいつがいい?犬・猫の時期と手術前後の流れ

2026.07.28

子犬と子猫の成長を確認し避妊・去勢手術の時期を相談する診察風景

避妊・去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、将来の生殖器疾患を予防する選択肢です。一方で、「犬も猫も生後6か月で必ず手術」と一律に決めるものではありません。特に犬は、体格・犬種・性別・生活環境・病気のリスクを一緒に考えて時期を決めます。

先に結論

  • 猫:生後5〜6か月頃が相談の目安です。初回発情や予期しない妊娠が始まる前に計画します。
  • 犬:小型犬では生後6〜9か月頃に検討することが多い一方、大型犬では成長を待って9〜15か月以降を検討する場合があります。
  • 最終決定:犬種、成犬時の体重、性別、発情歴、停留精巣、持病、同居動物などを確認して決めます。

猫と犬で、手術時期の考え方が違います

繁殖を予定しない猫では、生後5〜6か月頃を目安に相談します。猫は予想より早く発情や妊娠が可能になることがあるため、体重と健康状態を確認しながら計画します。

小型〜中型犬

生後6〜9か月頃が相談の一つの目安です。ただし、雌犬では初回発情前に行う利点と、成長を待つ利点を犬種ごとに比較します。

大型〜超大型犬

骨格の成長を考慮し、9〜15か月以降まで待つことを検討する場合があります。体格だけでなく、犬種と性別による関節疾患や腫瘍のリスクも踏まえます。

「最適な月齢」は一頭ずつ異なります。初診時やワクチン接種時に、成犬時の予想体重と生活環境を含めてご相談ください。

避妊・去勢手術で期待できること

雌(避妊手術)

  • 望まない妊娠を防ぎます。
  • 子宮蓄膿症や卵巣・子宮の病気を予防できます。
  • 手術時期によっては、乳腺腫瘍のリスク低下が期待できます。ただし「100%防げる」という意味ではありません。
  • 発情に伴う出血や鳴き声、落ち着きのなさがなくなります。

雄(去勢手術)

  • 精巣の病気を予防できます。停留精巣では腫瘍化などのリスクを考慮し、特に手術をおすすめします。
  • 犬では良性前立腺肥大や一部の肛門周囲の病気のリスクを下げます。
  • 放浪、マウンティング、尿マーキング、雄同士の争いなど、性ホルモンに関連する行動が減ることがあります。

性格が別の子になるわけではありません。性ホルモンに関係する行動は減る可能性がありますが、恐怖、不安、学習による吠え・攻撃行動が手術だけで必ず改善するわけではありません。

手術の前に知っておきたい注意点

避妊・去勢手術は日常的に行われる手術ですが、全身麻酔と外科手術である以上、リスクはゼロではありません。

  • 麻酔に伴う循環・呼吸への影響
  • 出血、感染、傷口が開くなどの手術合併症
  • 手術後に太りやすくなる傾向
  • 犬種や手術時期によって異なる、関節疾患・尿失禁・一部の腫瘍などとの関連

これらを必要以上に怖がるのではなく、手術によって予防できる病気と比較して決めることが大切です。術前診察と必要な検査を行い、麻酔方法と術後の痛み止めを個別に調整します。

手術までの流れ

  1. 事前相談:犬種・猫種、体重、発情歴、持病、服用中の薬を確認します。
  2. 術前検査:身体検査と血液検査を基本に、年齢や状態に応じて追加検査をご提案します。
  3. 前日の準備:食事と飲水の制限は年齢や体調で変わるため、当院からお伝えする時間を守ってください。
  4. 手術当日:お預かり後に体調を再確認し、全身麻酔下で手術を行います。
  5. 退院:当院では通常は当日退院を予定しますが、状態や手術内容により入院をご提案することがあります。

事前に必ずお知らせください:発情中または発情直後、妊娠の可能性がある、嘔吐・下痢・咳・元気食欲の低下がある、薬やサプリメントを使用している場合。

手術後の過ごし方

  • エリザベスカラーや術後服を使い、傷口を舐めさせないでください。
  • 抜糸または再診までは、走る・跳ぶ・激しい遊びを控えてください。
  • 処方された痛み止めなどは指示どおりに使用してください。人用の鎮痛薬は与えないでください。
  • 傷口を濡らさず、シャンプーは許可が出るまで待ってください。
  • 手術後は必要カロリーが変わるため、体重を見ながら食事量を調整します。

すぐにご連絡いただきたい症状

  • 呼吸が苦しそう、ぐったりして反応が弱い
  • 傷口から出血が続く、大きく腫れる、開いている
  • 繰り返し吐く、水も飲めない
  • 強い痛み、震え、落ち着けない状態が続く
  • 翌日になっても食欲や元気が戻らない

よくある質問

一度出産してから手術した方がよいですか?

医学的に「一度は出産させる必要がある」という根拠はありません。繁殖を予定しない場合は、発情や妊娠のリスクを含めて早めにご相談ください。

発情中でも手術できますか?

手術できる場合もありますが、組織の血流が増えて出血しやすくなるため、緊急性がなければ時期をずらすことがあります。発情に気づいたら予約前にお知らせください。

成犬・成猫になってからでも手術できますか?

可能です。年齢だけで決めず、診察と術前検査で麻酔リスクと手術の利点を評価します。

参考資料


大切なお願い:このページは一般的な目安です。実際の手術時期や検査内容は、年齢、体重、犬種・猫種、発情歴、持病によって異なります。不二動物病院(0178-44-4321)へご相談ください。

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