豚インフルエンザが新たなウイルスに変異の可能性

米疾病対策センター(CDC)は24日、米国内で感染が確認された豚インフルエンザのウイルス型が、メキシコで流行している型と一致しており、米国内での急速な感染拡大が懸念されると発表した。メキシコでは既に1000人以上が感染し、死者は68人に達している。
CDCによると、米国で豚インフルエンザ感染が確認されたのは、カリフォルニア州南部で6人、テキサス州で2人。いずれのウイルス型も、CDCが調査したメキシコ人14人のウイルス型と同一だった。
米国内での豚インフルエンザ感染を受け、ニューヨーク市クイーンズ区にある学校では23日、咳や発熱などインフルエンザ様の症状を見せた生徒がいたことから、75人を検査した。検査結果は25日にも判明する。
メキシコでは首都メキシコ市ならびにメキシコ州で24日、豚インフルエンザの感染拡大を受けて大学や学校などが休校となった。カルデロン大統領も同日、北部での公務を取りやめてメキシコ市にとどまり、事態の様子を確認している。(CNNより)
メキシコでの豚インフルエンザの感染者拡大で、人から人への感染力を持つ新たなウイルスに変異している可能性が出てきた。新型インフルエンザの脅威が高まる中、ウイルスの特徴や必要な対応を専門家に聞いた。
 今回のウイルスは、H1N1型。現在も冬に流行するAソ連型と同じ型だ。このため、世界中の人がこの型のウイルスに対して免疫を持つ。この点が人が免疫を持たない型(H5N1型)の鳥インフルエンザとは異なる。またH1型のウイルスは、強毒性のH5型に比べ毒性が低い。喜田宏・北海道大教授(ウイルス学)は「Aソ連型によって、ある程度免疫を持つ人は多い。豚インフルエンザだけではなく、他の型のインフルエンザウイルスや細菌などとの同時感染だった可能性もある」と話す。
 一方、死亡率の高さから大槻公一・京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長(獣医微生物学)は「従来の豚インフルエンザの範ちゅうを超えており、これまでにないウイルスになっている可能性がある。H5N1型に限らず、別の型でも鳥から豚に感染し新型インフルエンザとなって感染が広がる可能性がある」と話す。田代真人・国立感染症研究所ウイルス第3部長は「人と豚のインフルエンザでは重症度や感染力が異なり、感染拡大の可能性はある」と警戒を求める。(毎日新聞より)
日本国内への侵入や抗インフルエンザ薬の有効性、豚・人以外への感染の可能性など、今後の情報に注意する必要がありそうです。

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