
子犬との暮らしが始まる日は、うれしい反面「まず何をすればいいの?」と迷うものです。大切なのは、最初から完璧にしつけることではありません。子犬が安心して休める場所をつくり、食事や排せつ、体調を落ち着いて観察することから始めましょう。
最初に覚えておきたい3つ
1.静かで安全な居場所をつくる
2.これまでの食事と生活リズムを急に変えない
3.できるだけ早く動物病院へ相談する
1.迎える前に「安心できる小さな部屋」をつくる
家の中すべてを自由に歩かせるより、まずはサークルやベビーゲートで行動範囲を区切ると、子犬も家族も落ち着いて過ごせます。

用意しておきたいものは次のとおりです。
- 体を伸ばして休めるクレートやハウス
- 洗えるベッドや敷物
- いつでも飲める新鮮な水
- 寝床や水から少し離したトイレ
- 子犬用の安全な噛むおもちゃ
- 今まで食べていたフード
- 首輪またはハーネス、リード、迷子札
電気コード、薬、洗剤、たばこ、小さなアクセサリー、観葉植物、ごみ箱などは届かない場所へ移します。チョコレート、ネギ類、ぶどう・レーズン、キシリトール入り食品なども誤食しないよう、家族全員で保管場所を確認しましょう。
2.初日は、構いすぎず静かに休ませる
移動と環境の変化は、子犬にとって大きな出来事です。家に着いたら、まず決めておいたトイレへ案内し、その後は水を飲める静かなスペースで休ませます。
初日は来客や長時間の遊び、シャンプーなどを詰め込まず、子犬の方から近づいてくるのを待ちましょう。眠っているときは起こさず、家族で「抱っこは短時間」「追いかけない」などのルールをそろえます。
夜鳴きをしても、大声で叱るのは避けます。トイレや体調を確認したうえで、寝床の近くに家族の気配が感じられるようにするなど、少しずつ新しい環境に慣らします。
3.食事は急に変えず、食べた量を記録する
最初は、迎える前に食べていたフードを、教えてもらった量と回数で与えます。フードを変える必要がある場合は、体調を見ながら徐々に切り替え、方法は動物病院に相談しましょう。
「いつ、何を、どのくらい食べたか」「水を飲んだか」「便と尿の回数・状態」を簡単にメモしておくと、体調の変化に気づきやすく、受診時にも役立ちます。
4.トイレは成功した瞬間にやさしく褒める
起きた後、食後、遊んだ後、床のにおいを嗅いでそわそわしたときは、トイレへ案内するタイミングです。成功したら、その場ですぐに穏やかな声で褒めます。
失敗しても叱ったり、鼻を近づけたりしません。子犬に見えないところで静かに片づけ、においが残らないよう掃除します。失敗が続くときは、トイレまでの距離や広さ、案内するタイミングを見直しましょう。
5.できるだけ早く動物病院へ相談する
元気に見えても、迎えたら早めにかかりつけの動物病院を決め、健康診断を予約します。譲渡元や販売元から受け取った健康診断、ワクチン、駆虫、マイクロチップ、食事の記録はまとめて持参しましょう。
診察では、今後のワクチンと寄生虫予防、食事量、散歩を始める時期、歯みがき、避妊・去勢などを、その子の月齢・体格・健康状態に合わせて相談できます。ワクチンや外出の時期は一律ではないため、自己判断より獣医師の指示を優先してください。
すぐに動物病院へ連絡したいサイン
呼吸が苦しそう、ぐったりして立てない、けいれん、誤食の可能性がある、嘔吐や下痢を繰り返す、食べない・飲まない状態が続くなど、いつもと明らかに違う様子があるときは、様子を見続けず動物病院へ連絡してください。特に小さな子犬は体調が変わりやすいため、迷ったときも早めの相談が安心です。
6.社会化は「怖がらせない、小さな体験」から
子犬の時期は、人、音、場所、触られることなどを学ぶ大切な時期です。ただし、無理に抱かせたり、大きな音の中へ連れて行ったりする必要はありません。
家の中で生活音を小さく聞かせる、いろいろな年代の人を少人数ずつ見る、足先や耳に短時間触れてごほうびを与えるなど、子犬が落ち着いていられる範囲で進めます。怖がったら距離を取り、できたことを褒める「ごほうび中心」の方法が基本です。
犬が多く集まり衛生状態が分からない場所への外出は、感染症のリスクがあります。抱っこで外の音や景色に触れる方法や、パピークラスへの参加時期を動物病院に相談しましょう。
7.日本で必要な登録を確認する
ペットショップやブリーダーから迎えた犬にマイクロチップが装着されている場合は、環境省の登録サイトで飼い主情報への変更登録が必要です。登録証明書は大切に保管しましょう。
また、生後91日以上の犬には、市区町村への犬の登録と、年1回の狂犬病予防注射が法律で義務づけられています。マイクロチップ登録が犬の登録を兼ねる特例に参加している市区町村もあるため、お住まいの自治体または動物病院へ確認してください。
最初の1週間チェックリスト
- □ 安全な居場所とトイレを決めた
- □ 今までのフード、食事回数、健康記録を確認した
- □ 食事・水・便・尿・元気を毎日記録している
- □ かかりつけ候補の動物病院へ連絡した
- □ 家族全員で接し方と禁止事項をそろえた
- □ マイクロチップの登録証明書を確認した
- □ 市区町村の犬の登録方法を確認した
子犬が新しい家に慣れる早さは、一頭ずつ違います。できなかったことより、落ち着いて眠れた、少し食べられた、トイレに一度成功した、という小さな前進を見つけてあげましょう。安心できる毎日の積み重ねが、これからの信頼関係の土台になります。
参考情報
※本記事は一般的な情報です。子犬の体調やワクチン、食事、運動については、実際に診察した獣医師の指示を優先してください。