犬・猫のインスリン注射方法|毎日の確認と低血糖への備え

2026.07.28

猫の皮膚をやさしくつまみインスリン注射を準備する飼い主

当院で実技指導を受けた方の確認用です。インスリンの商品名、単位、回数、食事との関係を自己判断で変えないでください。製剤と器具の組み合わせを間違えると、投与量が大きく変わる危険があります。

当院で使用しているインスリンと器具

インスリンと注射器・注入器の組み合わせは固定です。家にある別の注射器へ変更したり、インターネットの換算表を見て目盛りを換算したり、ほかの動物の器具を共用したりしないでください。商品名と器具が分からなくなったときは、注射する前に当院へ確認してください。

対象 インスリン 濃度・性状 使用する器具 注射前の準備
プロジンク U-40・白く濁る懸濁製剤 プロジンク専用U-40注射器 当院で説明した方法で、バイアルをゆっくり転がして均一にします。強く振りません。
ノボリンN注フレックスペン U-100・白く濁る懸濁製剤 フレックスペンと当院指定の専用ペン針 当院で説明した方法で、均一な白濁になるまで混和します。毎回、新しい針を使用します。
ノボリンN(バイアル製剤) U-100・白く濁る懸濁製剤 当院からお渡し・指定したU-100対応注射器 当院で説明した方法で、均一な白濁になるまで混和します。強く振りません。
ランタス U-100・透明な製剤 当院指定のロードーズシリンジ 混和・振とうはしません。濁りや粒がある場合は使用せず、当院へご連絡ください。

※「U-40」「U-100」はインスリンの濃度を表します。プロジンク専用U-40注射器、U-100対応注射器、ロードーズシリンジ、フレックスペンは、見た目や目盛りが似ていても代用できません。

犬:プロジンク

  • 必ずプロジンク専用U-40注射器を使い、指示された単位の目盛りをそのまま読みます。
  • 注射器をU-100製剤やランタスに使用しません。ロードーズシリンジやペン針への置き換えもしません。
  • 開封日を記録し、冷蔵保存してください。凍結させず、使用前に強く振らないでください。

犬:ノボリンN注フレックスペン

  • ダイヤルで当院から指示された単位を設定し、当院指定の専用ペン針を使用します。
  • 注射器でペンの中の薬液を吸い出したり、プロジンク専用注射器やロードーズシリンジへ移したりしません。
  • 懸濁製剤のため、毎回、当院で説明した方法で均一な白濁にしてから使用します。

犬:ノボリンN(バイアル製剤)

  • 当院からお渡し・指定したU-100対応注射器だけを使用します。
  • 当院から指示された単位の目盛りを読み、mLへの換算や別規格の注射器への置き換えはしません。
  • 懸濁製剤のため、均一な白濁にしてから指示量を取ります。

猫:ランタス

  • 当院指定のロードーズシリンジを使用します。少量を量るため、目盛りの読み方は処方時に確認してください。
  • 透明な製剤です。混和せず、振らずに使用します。濁り、着色、粒が見える場合は使用しません。
  • プロジンク専用U-40注射器へ置き換えないでください。

毎回、注射前に確認する6項目

  1. 動物名とインスリンの商品名
  2. 濃度(U-40、U-100)と器具が当院の指示どおりか
  3. 指示された単位と時刻
  4. 食事をいつもどおり食べたか
  5. 元気、ふらつき、嘔吐などの異常がないか
  6. 液の見た目と使用期限・開封日

注射の基本手順

  1. 商品名を確認し、上記の製剤別の準備方法に従います。
  2. 指示された器具へ、気泡と目盛りに注意して指示量を準備します。フレックスペンは当院で説明した操作に従います。
  3. 当院から指示された部位の皮膚をテント状につまみます。
  4. 針を皮下へ入れてから、指示量を注入します。
  5. 針を抜き、被毛が濡れていないか確認します。針は再使用しません。
  6. 注射した時刻と量を記録し、家族間で二重投与を防ぎます。

打てたか分からない・漏れた

追加でもう一度打たないでください。重複投与による低血糖の方が危険です。どの程度漏れたか、時刻、食事量を記録し、当院へご連絡ください。

食べない・吐いたとき

予定どおり打つと低血糖になることがあります。注射前に食べない、いつもより少ない、嘔吐した場合は、当院から事前に受けた指示に従うか、投与前に連絡してください。

低血糖を疑う症状

急な強い空腹、落ち着かない、ぼんやりする、ふらつく、震える、力が入らない、けいれん、意識低下は低血糖の可能性があります。意識があり飲み込める場合は事前に指示された糖分を与え、すぐに連絡してください。けいれん中・意識が乏しい動物の口へ、液体や食べ物を無理に流し込まないでください。

参考資料


大切なお願い:このページは一般的な目安です。使用する製剤、用量、器具、注射のタイミングは動物ごとに異なります。当院から個別の指示がある場合は、その指示を優先してください。迷ったときは自己判断で注射せず、不二動物病院(0178-44-4321)へご相談ください。

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