
当院で薬浴の指示を受けた方の確認用です。同じ「薬用シャンプー」でも、対象となる動物、洗う時間、放置時間、使用頻度が異なります。薬袋と当院からの個別指示を最優先にしてください。
当院でよく使用する3種類
| 製品 | 主な目的 | 対象 | 皮膚になじませる目安 |
|---|---|---|---|
| アデルミル | 乾燥・敏感肌・アレルギー性皮膚炎のスキンケア | 犬・猫 | 5〜10分 |
| マラセブ | 犬のマラセチア皮膚炎。膿皮症など細菌性皮膚炎が疑われる場合も、診察・検査結果により当院が選択 | 犬のみ | 10分 |
| ノルバサン シャンプー0.5 | 皮膚・被毛の洗浄、殺菌、消臭 | 犬・猫 | 2〜5分 |
※上表は目安です。自己判断で製品を交換・併用したり、放置時間や回数を増やしたりしないでください。
1.アデルミル|乾燥・敏感肌の犬猫に

こんな時に:乾燥しやすい皮膚、敏感肌、アレルギー性皮膚炎の補助的なスキンケアに使用します。保湿成分を含む無香料・無着色の犬猫用シャンプーです。
- 準備:毛玉をほぐし、シャンプー、泡立てネット、タオル、タイマーを手元に置きます。
- ぬらす:30〜35℃のぬるま湯で約5分、足先からゆっくり地肌まで十分にぬらします。
- 泡で洗う:手や泡立てネットでよく泡立て、爪を立てずに泡を皮膚へ押し込むようにやさしくマッサージします。
- 5〜10分置く:泡をなじませたまま、舐めないようそばで見守ります。寒そうなら濡らした温かいタオルなどで保温します。
- すすぐ:30〜35℃のぬるま湯で約5分。脇、内股、腹部、指の間まで泡やぬめりを残さないよう流します。
- 乾かす:こすらずタオルで押さえて吸水します。乾きにくい場所だけ、ドライヤーを30cmほど離して低温・弱風で短時間乾かします。
頻度:メーカーの目安は週1回〜月1回ですが、皮膚状態で変わります。当院の指示どおりに行ってください。
2.マラセブ|犬のマラセチア皮膚炎に
重要:マラセブは日本では犬のマラセチア皮膚炎に承認された動物用医薬品です。猫には使用しません。診察・皮膚検査を受け、当院から指示された犬にだけ使用してください。

こんな時に:主に犬のマラセチア皮膚炎に使用します。ミコナゾール2%とクロルヘキシジン2%を含みます。膿皮症など細菌性皮膚炎が疑われる場合も、皮膚検査や病変の状態を見て当院が適否を判断します。
- 使う人の準備:保護メガネ、マスク、ゴム手袋を着用します。妊娠中・妊娠の可能性がある方は使用しないでください。授乳中の方やワルファリン服用中の方は、事前に当院へ相談してください。
- 犬を十分にぬらす:ぬるま湯で地肌までしっかりぬらします。眼、耳、口、鼻へ入らないようにします。
- 全身に泡立てる:指示量を皮膚と被毛全体へ行き渡らせ、指の腹で十分に泡立てます。脇、内股、指の間など病変が出やすい場所も丁寧に。強くこすりません。
- 正確に10分置く:タイマーを使います。泡を舐めたり吸い込んだり、身震いで薬液を飛散させたりしないよう、犬から目を離しません。眼・粘膜・耳の中には使用しません。
- 徹底的にすすぐ:薬液が残らないよう、全身をぬるま湯で十分にすすぎます。
- やさしく乾燥:タオルで押さえて水分を取り、低温・弱風で乾かします。皮膚を熱くしたり乾燥させすぎたりしないようにします。
頻度:添付文書では、3日以上間隔をあけて週2回です。治療期間や部分洗いへの変更は当院の指示に従ってください。
3.ノルバサン シャンプー0.5|犬猫の洗浄・殺菌・消臭に

こんな時に:犬・猫の皮膚と被毛の洗浄、殺菌、消臭に使用します。クロルヘキシジン酢酸塩0.5%を含む動物用医薬部外品です。
- ぬらす:犬または猫の全身をぬるま湯で十分にぬらします。顔まわりは濡らしたガーゼなどで慎重に行います。
- 量を取る:目安は猫・10kg未満の犬で10〜30mL、10〜20kg未満の犬で30〜60mL、20kg以上の犬で50mL以上です。被毛の長さや汚れで調整し、当院の指示があればそちらを優先します。
- 2〜5分洗う:必要に応じて少量の水を足しながら、全身へ行き渡るよう2〜5分間やさしく泡立ててマッサージします。
- 十分にすすぐ:皮膚と被毛に泡が残らないよう丁寧に流します。必要な場合の2度洗いは、当院の指示がある時だけ行います。
- 乾かす:タオルで押さえて吸水し、皮膚までしっかり乾かします。低温・弱風を使用し、熱風を当て続けません。
薬浴前に準備するもの
- 当院から渡されたシャンプーと薬袋
- 滑り止めマット、タオル2〜3枚、タイマー
- 泡立てネットまたはスポンジ
- 舐め防止が必要な場合はエリザベスカラー
- マラセブでは保護メガネ、マスク、ゴム手袋
薬浴を中止して連絡するサイン
- 呼吸が苦しそう、ふらつく、ぐったりする、震えが止まらない
- 急な強い赤み、腫れ、じんましん、嘔吐
- 泡を大量に舐めた・吸い込んだ、薬剤が眼に入った
- 皮膚に出血、強い痛み、広い範囲のただれがある
- 暴れて転落や咬傷の危険がある
異常があれば使用を中止し、薬剤を十分に洗い流してください。眼に入った場合は流水でよく洗い、症状が残る場合は受診してください。
よくある失敗
- 別の薬用シャンプーや人用シャンプーを自己判断で混ぜる
- 汚れを落とそうとして爪を立てたり強くこすったりする
- 放置時間や回数を増やす
- 顔、耳の中、粘膜まで同じ薬剤で洗う
- すすぎ不足、濡れたまま放置、熱風による乾かしすぎ
再診時に役立つ記録
薬浴日、使用した製品、皮膚の赤み・かゆみ・におい・フケ・脱毛の変化を写真で残してください。「薬浴直前」と「翌日」を同じ明るさ・同じ距離で撮ると比較しやすくなります。
大切なお願い:このページは一般的な確認用です。年齢、体重、皮膚病の種類、持病、併用薬により適切な方法は変わります。薬袋と当院の個別指示を優先し、迷ったときは自己判断で続けず、不二動物病院(0178-44-4321)へご相談ください。
参考:ビルバック「アデルミル」公式製品情報、農林水産省 動物用医薬品等データベース「マラセブ」、同「ノルバサン シャンプー0.5」、キリカン洋行「犬のシャンプーの方法」(閲覧日:2026年7月28日)