犬・猫へのお薬の投薬方法|錠剤・粉薬・液体薬のコツ

2026.07.28

動物病院で犬と猫への液体薬の与え方を説明するスタッフ

お薬は「正しい量を、正しい方法で、指示された期間」続けることが大切です。犬・猫に負担をかけにくい投薬方法と、うまくいかない時の対応をまとめました。

最初に確認してください

  • 薬袋の名前・1回量・回数・投与時間・食前/食後を確認します。
  • 人の薬や、以前の残り薬を自己判断で与えないでください。
  • 錠剤を砕く、カプセルを開ける、食事に混ぜる前に、必ず病院へ確認してください。薬によっては効果や安全性が変わります。
  • 投薬後は、確実に飲み込んだかを確認します。

いちばん負担の少ない方法から試しましょう

1.少量の食べ物に包む

  1. 投薬可能な薬か、食事と一緒でよいかを確認します。
  2. 投薬補助用のおやつや、少量のウェットフードに薬を包みます。
  3. 薬の入っていない一口を与え、次に薬入り、最後にもう一口と続けると飲み込みやすくなります。
  4. 食べ終わるまで見守り、吐き出していないか確認します。

フード一皿全部に混ぜるのは避けましょう。食べ残すと正しい量を投与できず、フードそのものを嫌いになることもあります。

錠剤・カプセルを直接飲ませる方法

  1. 滑りにくい場所で、犬・猫を落ち着かせます。猫は必要に応じてタオルで体をやさしく包みます。
  2. 利き手と反対の手で頭をやさしく支え、鼻先を少し上へ向けます。
  3. 下あごを開き、薬を舌の中央より奥へ置きます。指をかまれないよう、無理はしません。
  4. 口を閉じて頭を通常の位置へ戻し、喉をやさしくなでます。
  5. 舌で鼻先をなめる、喉が動くなど、飲み込んだ様子を確認します。

猫は錠剤やカプセルが食道にとどまることがあります。薬との相性を病院へ確認したうえで、投薬後に少量の食事や水を与えて胃へ流すことが大切です。水の量や方法は、その子の状態に合わせてご案内します。

指での投薬が難しい場合は、投薬器(ピルガン)を使えることもあります。誤って喉を傷つけないよう、初めて使う時はスタッフの実演を受けてください。

粉薬の与え方

  • 少量のウェットフードなどに混ぜる:食べ切れる量に混ぜ、完食を確認します。
  • 少量の水に溶く:溶かしてよい薬か確認し、投薬用シリンジで頬の内側から少しずつ与えます。
  • 苦味が強い場合:カプセル化や別の剤形に変更できることがあります。無理をせずご相談ください。

液体薬の与え方

  1. 薬袋の指示に従い、必要ならよく振ってから正確な量を量ります。
  2. 頭を反らせすぎず、自然な位置で支えます。
  3. 犬歯の後ろにある歯のすき間から、シリンジの先を頬側へ入れます。
  4. 喉の奥へ向けず、少量ずつ入れ、飲み込む時間と呼吸する時間を取ります。
  5. むせ・強い咳・呼吸の異常があれば中止します。

一気に流し込むと誤嚥の危険があります。薬の味で泡状のよだれが出ることもありますが、自己判断で同じ量を追加せず病院へ確認してください。

動画で確認する

動画を見る前に:お薬の種類によっては、砕く・水に溶かす・食べ物に混ぜることができません。液体薬は喉の奥へ勢いよく入れず、頬側から少量ずつ与えてください。動画と当院からの指示が異なる場合は、当院の指示を優先してください。

犬の錠剤の飲ませ方

動画提供:ペピイチャンネル「お薬の飲ませ方―わんちゃん・錠剤編―」

犬の液体薬の飲ませ方

動画提供:ペット手帳「ワンちゃんの上手な液剤の飲ませ方」

猫の錠剤・粉薬の動画は、当院で準備中です。公開までは、上の写真と手順をご確認ください。実際のお薬をお持ちいただければ、診察時にその子に合った方法を一緒に練習します。

飲み忘れた・吐いた・吐き出した時

  • 2回分をまとめて与えないでください。
  • 吐いた時刻、投薬からの経過時間、薬がそのまま見えたかを記録します。
  • 一部でも飲み込んだ可能性がある時は、追加投与せず病院へ連絡してください。
  • 抗てんかん薬、心臓薬、インスリン、ステロイド、抗がん剤などは、特に自己判断で変更しないでください。

どうしても難しい時は

投薬は「押さえつけてでも続ける」ことが最善とは限りません。毎回激しく抵抗する、かむ、隠れる、食欲が落ちる場合は、剤形・味・回数・投与経路を変更できることがあります。実際のお薬と一緒にご来院いただければ、その子に合う方法を一緒に練習します。

すぐに病院へ相談するサイン

  • 投薬後に呼吸が苦しそう、強い咳やむせが続く
  • 顔の腫れ、じんましん、ぐったり、けいれん
  • 何度も吐く、血を吐く、意識がおかしい
  • 誤って多く与えた、人の薬を飲んだ、別の動物の薬を飲んだ

投薬を楽にする日頃の練習

元気な時から、口元に触る→褒める、空のシリンジを見せる→おいしいものを少量なめてもらう、という短い練習をしておくと役立ちます。嫌がる前に終え、できたら必ず褒めましょう。


参考情報:Cornell University College of Veterinary MedicineMSD Veterinary ManualUC Davis Veterinary Medicine(閲覧日:2026年7月28日)

電話する 初診WEB受付 LINE初診受付